
*克服のために家族ができること、すべて取り組めていますか?
摂食障害専門カウンセラー中村綾子です。
「油使わないで!」
「お母さんが変わってくれないから、私は治らない」
「一緒に食べてくれないと、食べられない」
家の中で、摂食障害に悩まされているのは、本人だけではないはず。
身近な母や、兄弟、そして、父親・・・。
これまでは平穏だった食事の時間が、争いの時間になってしまう。
けれど、ご家族の方にも分かっていてほしいんです。
今の言動は、摂食障害の症状だということを(だからと言っても、言いなりになるのはNGです)。
急に別人になったように感じても、以前と変わらず「楽しく食べたい」と思っているはず。
「食べ物が怖い」と言いながらも、その理由が自分でも分からなかったりするんです。
でも、「摂食障害の症状」と知っていても、日々の対応に疲れ切ってしまうかもしれませんね。
だからこそ、ご家族に出来ること・出来ないことを考えてみましょう。
摂食障害の接し方:家族だからこそ、できること
親子のコミュニケーション:話を最後まで、さえぎらずに聴く
ご家族が意見するよりも先に、本人が、「自分の気持ちを吐き出しても大丈夫なんだ。
受け入れられているんだ」と安心して話せる環境を目指していきましょう。
摂食障害の心のサポート(言葉以上に、スキンシップ)
不安、怒り、動揺・・・。
体重変化に伴うココロの揺れ動きには、周りのサポートが不可欠です。
ご家族の十分なサポートがあって初めて、「自分自身と向き合う」作業が始まっていくと考えます。
摂食障害は「治る」と信じ、家族から変わる努力を続ける
これが、1番重要だと考えます。
1人の力では、「治る」と信じ切ることに限界があります。
「早く治って!」と追い立てるよりも、「この娘は治っていく」と、まずはご家族が信じてあげてほしいと思います。
言葉に出しても出さなくても、ご家族の気持ちは、家庭内の雰囲気の中で通じていくと思います。
同時に、ご家族から変わる努力を続けていくことは不可欠です。
・摂食障害のただしい知識
・摂食障害のただしい治り方
こうした学びは、接し方を修正していく上で必要なことではないでしょうか。
当オフィスでは、摂食障害専門カウンセリングの経験をふまえ、50種類以上の動画をご提供しています。
▼拒食症から過食:家族ができるサポートと回復ステップ
摂食障害の通院/カウンセリング:経済的なサポート
通院には、どうしてもお金がかかります。
試してみたい治療法や、相談したい人が、多々出てくると思います。
けれど、まだまだ働けない状態のことも多いはずです。
治療に役立ちそうなことに関しては、サポートしてほしいと思います。
治らないまま20代になってしまうと、ご家族がお嬢様を養わないといけなくなってしまいます。
摂食障害を1日でも早く治すために、治療費を惜しんではいけません。
一方で混同しやすいのが、過食代です。
過食代は治療費ではなく浪費です。
過食代については、家族がどこまで負担するか、きちんと話し合って決めていきましょう。
摂食障害の克服:家族に出来ないこと
本人の代わりに治ること。
当然ですが、摂食障害が治るのは、お嬢様自身です。
「治すのは、自分自身
治らないのも、自分自身」
お嬢様自身のの「治りたい」という気持よりも、ご家族の言動がずっと先回りしていないか、一度振り返ってほしいと思います。
ご家族の役割は「治りたい気持ちを引き出すこと」ですから。
摂食障害の落とし穴:家族が、体重管理をしてはいけない
お嬢様の体重について、頻繁に口出ししていませんか?
お嬢様が「なんて言われるんだろう?」と敏感になって、ますますお母様の顔色をみた行動をしていたり、隠そうとしているのを、ご存じでしょうか?
体重を測定するのは、お嬢様自身です。
体重管理は、病院の役割です。
ご家族は、体重チェックではなく、「体重の変動による、心の動揺」へのサポートに重点をおいていきましょう。
摂食障害の期限を区切らない弊害
摂食障害が治っても治らなくても、それはお嬢様の人生です。
ご家族が代わりに学校に行ってあげることも、就職先を選んであげることもできません。
焦らせてはいけない
追い詰めてはいけない
という「恐れ」から、お嬢様任せにしてしまうご家族が多いようです。
しかし、時間は有限です。
命にも限りがあります。
回復は「いつか」起こるのもではなく、地味な一歩一歩の積み重ねで「摂食障害の卒業」にたどり着くのです。
回復スケジュールを立ててこそ、目指すものが分かるはずです。
▼摂食障害の回復スケジュールの立て方はこちら