摂食障害カウンセリング
中村綾子です。
少し前のメルマガ「治るために『食にハマる』?」でも
取り上げましたが・・・
食事についての勘違いは、とても多いようです。
そして、摂食障害とは心の病気なので、
食だけで判断すること自体、間違った方向に
行くことを忘れないでいてほしいと思います。
今回のご質問をご紹介します。
摂食障害をきっかけに10年位前に、
マクロビ食事にやりはじめ、現在は肉、魚、乳製品などマクロビで禁止されている以外の食事は怖くて食べれません。
食べる時も、色々と考えてしまいます。
これも、まだ、治ったとはいえないのでしょうか?
*ブログでは、一般論と私の経験談の範囲で回答させていただきます。
ご質問をありがとうございます。
もちろん、短い文面だけでは分かりませんが・・・
「食だけ」を考えてしまっていませんか?
心の病気なのだから、
心がどうなのか、を考えていくことは不可欠です。
その中から、以下の2つに的を絞ってお届けします。
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1.ツラく無いですか?
2.回復基準という考え方
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1.ツラくないですか?
食べれないものがあるから、
摂食障害とは言い切れません。
でも、治った状態とは、
あなた自身が快適に生活できる状態ではないでしょうか?
なので、
マクロビそのものが、摂食障害ではなく、
マクロビしか食べれない
↓
他の食べ物が怖い
考え続けてしまう
↓
友達との外食が出来ない
↓
友達が減る
心が寂しい・ツライ・・・
という流れがあれば、
あなたにとってツライことなのではないでしょうか?
■摂食障害かどうか。
あなたの生きる目的は、
それを判断することでは無いはずです。
■快適な生活が出来ているかどうか。
こっちのほうが、大切ではないでしょうか?
「快適な生活」とは、具体的にどんな生活を思い浮かべますか?
・行きたい学校
・やりたい仕事
・会いたい友達
・遊びに行きたい場所…etc.
人と人がかかわる時、
大抵の場合、「食事」がついてきます。
おしゃべりには、
ダイエットも美味しいお店の話題もつきものなのです。
それらを、あなたも楽しみたいと思いませんか?
2.治ったか、治ってないか
繰り返し書いていますが…
あなた自身が、どうなりたいか?です。
なので、身体が回復して
社会生活もできる状態であれば、
あなたが、「治った」と言い
他の人が、「まだ治ってないよ!」と言ったり、
逆に、
あなたが、「まだまだココが回復できてない」と思っている時に、
周りから「もう治ったんだから!」と
ヘンに安心されてしまう場合もあるのです。
まず、以下の2つをチェックしていきましょう。
⑴身体の回復(自発的な生理、ダルイなどの症状がない)
⑵社会生活が出来る(年齢相応の学校生活や、仕事につくこと)
これらがOKであれば、
次に、あなた自身がどうなりたいか?をハッキリ書き出していきましょう。
この作業を、カウンセリングでは回復基準と呼んでいます。
摂食障害には、世界一律の「治った基準」がありません。
回復した後、ダイエットに無関心になるわけでもないし、
肥満体で平気になることでもありません。
女性なら、ある程度、身体や食べ物に気を使うのです。
ですが、「程度問題」なのです。
そのため、あなた自身が、「どの程度」を
「治った」と決めるかが、回復基準です。
・ストレス食いならOKだけど、後悔しないようになる。
・ダイエットにのめり込まないために、体重◯キロを下限とする
・TVのダイエット番組は観ても、実践はしない・・・etc.
ここまでは、食・体型に関することです。
それ以外のことも、決めていくことが大事です。
例えば・・・
・友達と気楽に外出できるようになること
・ホンネで話せる友達を持つこと
・気分が沈んでもすぐに立て直せること
・八つ当たりをする前に対処法を身につけること
これらは、一例にすぎません。
あなた自身が、「どうなりたいか」次第です。
なので、心を静かに落ち着けた場面で、
あなたがホントに望む姿をじっくり書き出してみてくださいね。
そこには、食以外のことが必ず含まれるはずです。
「食」だけで生きているのではなく、
生活があって、その中に「食」がある。
その比率に気付いてほしいなぁと思います。