摂食障害専門カウンセラー中村綾子です。お母様方からよくいただくご質問にお答えします。
なぜ病院に行っているのに拒食・過食を繰り返すの?
すごくよくある声です。
このブログの読者様の中にも、
・ネット検索したら、長年摂食障害の人を見つけた
・入院したら、同じ病棟に何度も入退院を繰り返している人がいた
・体重は回復したのに、食べることに縛られている…etc.
という方がいらっしゃるかもしれません。
あくまで、イチ個人のカウンセラーであり、摂食障害の克服経験者としての意見ですが、以下の3つの視点から考えています。
摂食障害の回復:病院の役割を知っていますか?
それぞれの病院により設備も異なりますし、一人ひとりの先生により考え方も異なると思います。
しかし、摂食障害専門カウンセラーとして全国各地(さらに海外在住の日本人の方も)からのクライアント様とお話している中で、共通点があると感じています。
病院の役割とは、命を守ること。
これに尽きるはずです。
そのため、身体がキケンな状態になれば入院。
体重が回復すれば、退院。
あとは通院で。
とりあえず体重を保っていればOK.
という話に終始しがちなのも、「病院の役割とは、命を守ること」と考えれば、納得できるかもしれません。
しかし、拒食症・過食症をなぜ繰り返すのか?という視点で考えるなら、「命を守ることだけに終始しているから」が、そのまま答になります。
身体が第一です。
摂食障害の根本的な解決の前に、身体ありきです。
一方で、心の回復のほうがずっと長く取り組むべき課題がたくさん潜んでいるのです。
心の根本的な解決・改善が無ければ、やはり拒食・過食を繰り返すのも当然と言えるでしょう。
摂食障害:主治医の先生とゴールについて、意見は一致していますか?
そもそも、毎回の診察が「最近の出来事」の報告だけに終始していませんか?
「では、次回」と言われて、診察終了…という場合も少なくありません。
長期的なゴールについて、話し合う時間は設けられているでしょうか?
・いつまでに
・どんな状態になること
を、目指していくのか?
残念ながら、保険治療の短時間診察ではなかなかじっくりと話し合うことが難しいようです。
私自身も転院10回していますが、主治医の先生方からよく言われていたのは、
・全部治らなくてもいい(=過食してもしょうがない)
・辛い時はお薬飲んで
・波はあるんだよ…etc.
こうした言葉はツライ時に一時的にラクになりますが、ふと冷静になると「私って、一生このままなの?ずっとツライの?」と気づいてしまい、呆然としたのでした。
摂食障害は「卒業」できる病気
摂食障害は付き合っていく病気ではありません。
拒食・過食を繰り返していては、身体へのダメージが積み重なってしまいます。
摂食障害と付き合うのではなく、
・何が原因で摂食障害になったのか
・何歳ころから辛くなっていったのか
・発症前に、どんなサポートが必要だったのか
という「摂食障害と分かる前」までさかのぼって、体系立ててお話ししていくことで、根本的な解決につながります。
その場しのぎのやり方から、根本的な解決へ。
摂食障害の卒業を目指してみませんか?