食べれるようになった後、学校に行けれない

摂食障害カウンセリング
中村綾子です。

摂食障害と学校
摂食障害と不登校

私自身の摂食障害が20代だったため、
カウンセリングを仕事にするまで
この2つが密接に関わっていることを知りませんでした。
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ですが、実際は、学校はとても大きな問題になっている方が
本当に多いようです。

ご質問をご紹介します。

*ブログ回答は、私の個人的な経験とカウンセリング方針に基づいています。
*全ての方に当てはまるとは限りませんので、予めご了承ください。

◆メルマガ読者さんからのご質問◆

最近学校へ行けなくなってしまいました。
どうした対応がのぞましいでしょうか?

もっと食べれない時には学校も休まず、クラブも勉強も頑張る。

三食食べれるようになり、このまま治るのかと思いきや、
学校へ行って「頑張ってる友達を見ると辛い」。

授業中も「集中できず、次のご飯のことばかり考えてしまう」と言って、
朝になったら葛藤して辛そうです。

私も無理はさせないように「休んでいいよ」っと言ってますが、
休めば休むほど不安も多くなそうで、追い詰められた気持ちになるそうです。

ご質問をありがとうございます。

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1.心からの「休んでいいよ」ですか?

2.転校する人が多い理由

3.摂食障害の治り方、勘違いしていませんか?

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1.心からの「休んでいいよ」ですか?

摂食障害の娘さんに、本気の態度とホンネの言葉を
向けているでしょうか?

怒らせるといけないから
また食べなくなると怖いから
優しくしないといけない・・・etc.

そうした気持ちの上で、「休んでいいよ」という
言葉になっていないでしょうか?
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もし、お母様が、本音本心で「休んでいいよ」と
言えているなら、以下の質問に答えてみてください。

・もし、娘さんが、家でずーっと過食し続けたら、どんな気持ちで見ていますか?
・欠席が多く、進学・進級が上手くいかなくなったら、どうしますか?
・引きこもりになっても、許せますか?

いかがでしょうか?
これらの質問に「大丈夫、この子は、ちゃんと生きていけるから!」と
ハッキリと答えられるなら、お母様の「休んでいいよ」は本物です。

ですが、大抵の場合、条件付きではないでしょうか?

「過食って言っても、程度問題でしょ」
「留年なんて本人も嫌だろうし」
「引きこもりって、ホントに外出しないんですか!?」

こんな声が聞こえてきそうです^^;;

本物の「休んでいいよ」は、
何があっても
どんなことが起ころうとも
どーーーーんとした姿勢で、
お母様が構えていられる状態の時です。

休んでも
上手く行かなくても
ちゃんと信じてあげられる

どうもがいても上手くいかないのだから
リセットするために、トコトン休めばいい。

学校という世間体よりも
命という重さ

これらを、お母様の心の中で、
しっかり「感じて」いくことが大切ではないでしょうか?


2.転校する人が多い理由

摂食障害カウンセリングにお越しいただいてる高校生のクライアント様の多くは、
転校を経験しています。

理由は様々ですが・・・
「自分」というものを取り戻すために
すべてをリセットするために
プラスに働いている場合が多い印象があります。

今の学校に、しがみついていませんか?
今の学校、娘さん自身がホントに行きたかった学校ですか?
今の学校に居続けて、摂食障害が治っていきますか?

私は、進学校を続けながら、
摂食障害を回復させるのは、とても難しいことだと考えています。

少し休めば、
授業がどんどん先に進んでいます。

文武両道をうたう学校であれば、
部活なしでは、後ろめたい気持ちがわくことも想像できます。

けれど、勘違いしてほしくないことがあります。

それは、「辞めれば治る」
「転校すれば変わる」と単純に思い込んでしまうことです。

辞めて、ちゃんと休めるかどうかは、
摂食障害の治療にどれだけ前向きであるかどうかが問われるところです。

転校すれば解決!と思っていると、
同じような問題に直面した時、また転校したいと思うだけかもしれません。

・・・

私自身は、大学院を辞めています。

辞めるという決断まで、ものすごく悩みました。
退学した後も、将来への不安で、過去最悪の過食になりました。

続けられなかったから、
辞めるしかなかった。

事実であっても、それが私の中で大きな劣等感として
存在し続けていました。

けれど、その後に生き方を見直し続け、
摂食障害の治療と向き合い続けていく中で、
「辞めてよかった」に変わっていきました。

周りに無理やり合わせた研究生活を行っていても
私の摂食障害はもっともっと重症化しただろうと思っています。

そして、カウンセラーという仕事に戻ってきたことで、
「何度でもやり直せる」ことを実感しました。

・・・

今、学校が最優先になっていないでしょうか?
学校が、全ての考え方になっていないでしょうか?

「辞めてよかった」と思える生き方、
探していきませんか?

3.摂食障害の治り方、勘違いしていませんか?

ご質問の中で、気になる言葉があります。

・・・・・・・・・

三食食べれるようになり、このまま治るのかと思いきや・・・

・・・・・・・・・

摂食障害とは、食の病気だったのでしょうか?
摂食障害とは、ただただ「食べられない病気」なのでしょうか?

私は、違うと思っています。

こうしたお母様の期待こそ、摂食障害の娘さんに
伝わってしまっていることを痛感しています。

摂食障害で、最もツライのは、身体がフツーになった後です。

身体がフツーなのに、
みんなと同じフツーのことが出来ない。

見た目がフツーなのに、
心の中はグチャグチャ。

見た目がフツーだから、
「出来て当然」と思われてしまう・・etc.

こうした、身体と心がケンカしあい、
葛藤が激しくなるのです。

そして、食がある程度回復していった時、
お母様が、気を緩めてしまっていないでしょうか?

その時点から摂食障害の娘さんの
「学校に行けれない状態」が始まっていないでしょうか?

回復がストップしたり
回復してきたのに、悪化する時
かならず原因があります。

その原因も1つとは限らず、
いくつも重なり合っていることがほとんどです。

ですが、
ご家族や学校が「ちょっと安心」した時、
摂食障害の症状が、バーン!と出ることがとても多いようです。

早すぎる安心は、摂食障害の悪化を招きます。
安心していい場面を、冷静に見極めることもとても大切です。

摂食障害は、「食べれば治る病気」ではありません。
体重が増えれば、新しい葛藤が生まれます。
食べていても、不安がふと爆発することがあります。

本当に安心していい場面とは、
身体の機能(生理など)が戻り
学校や仕事などの社会生活が、安定して続けられる状態になった後ではないでしょうか?

安心の前に
心によりそうこと

心に寄り添うって、こういうことです。