退院後、過食衝動を止めることは出来るでしょうか?

摂食障害カウンセリング
中村綾子です。

過食嘔吐で入院・退院した方から、ご質問をいただきました。

摂食障害の入院。

命がキケンな時は、入院だけが唯一の方法になってしまうこともあります。

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しかし、

入院期間が長ければ長いほど、入院を繰り返していればいるほど…

退院後の生活が怖くなってしまったり、管理されない限り、症状が爆発してしまうパターンが身についてしまっているのではないでしょうか?

今回のご質問をご紹介します。

*ブログ回答は、私の個人的な経験とカウンセリング方針に基づいています。
*全ての方に当てはまるとは限りませんので、予めご了承ください。

◆メルマガ読者さんからのご質問◆

退院することになりましたが、過食を止めることが難しそうです。

今まで高い入院費を払って治療してきたのに、すべてドブに捨ててしまうようで怖いです。
もう食べたくないのに食べたくて食べたくてしょうがないです。

過食衝動は止めることができるのでしょうか?
もう、以前のように過食嘔吐漬けの生活は嫌です。

ご質問をありがとうございます。

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1.入院の「過食治療」とは

過食や過食嘔吐がひどい場合
入院治療を勧められることがあります。

ですが、入院前に治療内容について
トコトン話し合い、納得した上で入院を決めている方は
とても少ないように思います。

私が知っている限りなので、
全国どこでもおなじとは限りませんが、
大抵の場合、以下のようなことが「過食の治療」になっているかと思います。

・おこずかい制限
・外出制限
・食後の安静
・体重チェック
・食後のトイレ使用禁止・・・etc.

ざっくり言えば、
「過食できない環境」を作り上げているだけなのかもしれません。
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「過食できない環境」という
限られた環境の中で、
過食が起こらないことと、

コンビニがいくらでもある環境の中で、
過食衝動が起きなくなることは、

まったく別物ではないでしょうか?

もちろん、疲れ果てた胃腸だけを取り出して考えるなら、
「過食させない」ことも有効なのかもしれません。

ですが・・

私たちは人間です。
食べ物があふれた社会の中に生きているのです。

それなのに、一時的に「過食できない環境」に
身を置いたところで、何が解決していくのでしょうか?

入院治療の経験がない方には、「治療の中身」を知った上で、選ぶかどうかを決めてほしいと思います。

すでに入院経験ありの方は、今後、繰り返さないためにも、あなた自身が賢い患者になることをオススメしたいと思います。

2.過食は「止める」ではなく、「止まる」です。

どうしたら過食が治りますか?
やっぱりガマンしないといけないんですか?

過食や過食嘔吐に悩む方から、こうした声は、とてもよくあります。

ですが・・

その考え方を変えていくことがスタートになるかと思います。

生まれたばかりの赤ちゃんは、
欲望のままに食べて
欲望のままに寝て
欲望のままに泣いています。

◯時間空いたからとか、
◯キロカロリーだからとか、
そんな計算は一切ないはずです。

それが、「食欲」というものなのです。

食欲とは、本能です。
過食・過食嘔吐とは、本能さえも上手く機能しなくなってしまった状態です。

本能が上手くいかなくなってしまうほど、心がくるしい状態が続いてしまったのではないでしょうか?

心と向き合い
心の苦しさを正直に言葉にしていく作業。

この繰り返しで
少しずつ少しずつ、本能が戻ってくるのです。

過食をガマンしていけば、かならず反動が来ます。

過食嘔吐しても
何も満たされないばかりか
心がどんどんツラくなっているのではないでしょうか?

だからこそ、「止める」では無いのです。

心が回復すれば、
過食は自然と「止まる」のです。

過食衝動が起こらなくなり
過食というものに興味がなくなり
過食が不要になっていくのです。

過食にあれほど悩んでいたのに、摂食障害専門カウンセリングを「卒業」する頃には、こんな言葉をよくいただきます。

「あの時、なんであんなに食べたんだろう?」

「別に詰め込まなくても、よかったのに。。。」

「お菓子は好きだけど、そんなに要らない」

そして、私はこう尋ねます。

「1番最近、過食したのって、いつ?」

すると・・・
大抵の場合、思い出せないのです。
記憶が消えているのではなく、それほど前のことなのです。

心が落ち着けば、過食・過食嘔吐は、止まります。
心が落ち着くために、信頼できる治療者と出会っていきましょう。

3.過食嘔吐と大量吐血:それでも辞められなかった私

「どうしたら、過食嘔吐を辞められるか?」と考え続けてしまう時、こんなことを思っていませんか?

重大な病気が発見されたら、辞められるかも。

こうした声も、とてもよくあります。
なので、私の実体験です。

過食嘔吐が始まっていた時期ですが、決して、毎日ではありませんでした。

イライラした時
ひどい過食した時

こうした時に限定して、嘔吐していた時期です。

いつものように、大学病院精神科に通院していました。
病院から帰宅して、お腹が空いていたので、
リンゴを食べていました。

ゴホッゴホッ・・・

次の瞬間、「気持ち悪っ!!!」

こみ上げてきて、トイレに走りました。
でも、間に合わず、廊下で嘔吐。

真っ赤な血が、一面に広がりました。
真っ赤な血の中に、リンゴの破片がポツン、ポツン、ポツン・・・。

悲鳴にも似た声をあげ、母を呼び、すると、もう1度、大量の血を吐きました。

その後、救急隊員が来て・・・
意識がなくなりました。

気がつくと、通院先の大学病院で
胃カメラの真っ最中でした。。。

胃と食道の間が裂け、出血したとのことでした。

そして、母は医師から怒られたそうです。

もう少しで輸血が必要だった。
1時間もかかる病院に来るなんて、危なかった・・・と。

この出来事は、かなり衝撃的でした。
でも、私は過食嘔吐を辞めることは出来ませんでした。

少し時が経てば、また繰り返し。

衝動が来て、
コンビニに走って
ばーっと食べて
すぐ吐いて。。。

真っ赤な血が恐ろしかったのに
輸血という言葉にびっくりしたのに
やっぱり過食嘔吐してしまう自分。。。

感情というものが、消えかけていたのかもしれません。

・・・

今、この経験談を読んで、どんなお気持ちですか?

重大な病気が発見されることを、
心のどこかで期待してしまっていませんでしたか?

病気が発見されても・されなくても
命があぶなくても・あぶなくなくても

それだけでは、心は変わらないのではないでしょうか?

過食嘔吐の回復には、心の回復が不可欠です。
卒業クライアント様のように「お菓子、そんなに要らない…」と言える日が来るのです。

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