摂食障害専門カウンセラー中村綾子です。
摂食障害の初期症状は様々なものがあり、決して食生活だけではありません。
どんな病気にも言えることですが。摂食障害の場合、成長・発達に影響しがちですから早期発見が重要です。
以下に、摂食障害の初期症状として主なものをご紹介します。
摂食障害の初期症状(1):急激な体重減少または増加
短期間で体重が大幅に減少したり増加したりすることがあります。
これまでのカウンセリング経験から、超ざっくりとした目安をお伝えするなら、1ケ月で5㎏以上の変動です。
これは拒食症や過食症に現れることが多いようです。
ただし、身長・年齢・これまでの体型にもより個人差が大きいです。
1ケ月2~3kgの変動だからといって安心できるとは限りません。
摂食障害の初期症状(2):食事に対する異常な執着
食事やカロリー、栄養素に異常にこだわるようになったり、食事時間にうるさくなったりします。
例えば、特定の食品群を避けたり、カロリーを細かく計算したりします。
食事時間(特に夕飯)を急に早めたいと言い出したり、なんらかの都合で食事時間が遅れそうになると、急に怒り出したり泣き出したり、「時間を守ること」に超ストイックになる傾向があります。
摂食障害の初期症状(3):食事の回避
食事の時間に食事を避けるために、さまざまな言い訳を使って食事をしなかったり、食事の時間を避けるために忙しいフリをすることもあります。
塾通いや部活動などで帰りが遅くなったり、「友達と食べてきた」と言ったりすることも良くあります。
実際には、食べていなかったり、逆に隠れて過食したり…ということも稀ではありません。
ご家族からみて、なんとなくコソコソしている感じがあれば、体重変化がなくても摂食障害の初期症状かもしれません。
摂食障害の初期症状(4):食事の儀式化
食事をする際に特定の儀式やルールを決めて、ストイックに守るようになったり、そのルールを家族に強制したりすることもよくあります。
例えば、食べ物を細かく切る、特定の順序で食べる、食事前に水を大量に飲む…etc.
最初は小さなこだわりに見受けられたものが、気づくとエスカレートしていて辞められなくなる場合も少なくありません。
儀式かも!?と気づいた時点で、摂食障害の初期症状だと考えたほうがいいようです。
摂食障害の初期症状(5):過度な運動
体重を減らすためや食べたカロリーを消費するために、過度に運動するようになることが多いです。
最近の猛暑であっても「汗をかくとスッキリする」「家の中にいるとイライラするから…」「動いたほうが、楽しい」など表面的にはポジティブな理由をつけて、運動がやめられない状態に陥っていることがあります。
運動の頻度や強度も、エスカレートするのはあっという間です。
ご家族が運動に気づいたら、止めることも1つですし、スグに相談し解決策を練ることがお嬢様の命を守ることにつながります。
摂食障害の初期症状(6):身体イメージのゆがみ
実際の体重や体型にかかわらず、自分を太っていると感じることは非常に多いです。
分かっていないのではなく、受け入れられない、自分事として考えられない、と言えます。
肥満・痩せの基準はBMIさえ計算すればわかることですが、摂食障害(拒食症でも過食症でも)の場合、ただしく判断できず、過剰に気にする方が多いです。
摂食障害の初期症状(7):情緒不安定になりやすい
これは負の連鎖と言えます。
心が不安定だから、食べることに執着していきますが、食べることに執着するあまり、ルールが守れなくなった時にイライラが爆発したりします。
つまり
心の不安定
↓
食事・体型への執着
↓
ルール化
↓
ルールが守れなかったり、家族が守ってくれなかったりで、イライラが悪化
↓
さらに食事・体型への執着がひどくなる…
こうした負の連鎖を断ち切るには、拒食症・過食症のご本様よりも、ご家族から行動することが必要になります。
ただしい知識を学びつつ、専門家に相談し、お嬢様にあった接し方についてアドバイスを受けましょう。
摂食障害の初期症状(8):社会的な孤立
友達からスイーツを食べに行こうと誘われても、断ったり、無理やり付き合って後から気持ちが爆発したり…
太った自分が許せなくて、友達と会うことを避けるようになったり、そもそも体力低下で出歩くことが辛くなったり…
様々な理由から、これまで親しかった友人と距離を置くようになる場合があります。
だからといって、ご家族(特にお母様)とべったりの関係になり、いつもふたりでお出かけ…というのは、回復の妨げになります。
摂食障害の初期症状(9):身体症状の現れ
拒食症では月経不順、骨密度の低下、貧血などの健康問題が現れることがあります。
過食症や過食嘔吐では、胃腸の問題や歯の損傷が見られることがあります。
こうした身体の症状は、病院に行くことにあまり抵抗が無い場合が多いですが、摂食障害の症状を隠して受診すると、ただしい診断につながらなかったり、より深刻な別の病気を疑われたりすることがあります。
身体の症状であっても、病院を受診する際は摂食障害かもしれない…という症状や気持ちについて、自ら話すようにしましょう。
摂食障害の初期症状(10):食べものを隠す
食べ物を隠したり、秘密裏に食べたりする行動があります。
ベッド下や、机の引き出しなど、普通なら食べ物を置かない場所に食べ物を隠している場合があります。
また家族が寝静まった夜中に、ひとりで起きてきて自分の部屋に置いておいたものを食べたり、台所・冷蔵庫を漁って食べている場合もあります。
これは過食症や過食嘔吐のサインとして現れることが多いようです。
ご家族さまへ:摂食障害かも…と気づいた時に1番大事なこと
上記の初期症状が見られたら、一人で悩まずにご相談ください。
拒食症・過食症は、お嬢様ひとりで回復することは非常にむつかしい病気です。
ご家族からただしい知識を身に着け、回復につながる接し方を取り入れていくことが、回復への近道です。
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