摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。
先日、かなり前に再放送された番組を録画で観ていました。
家で上手くいかない子どもたちに、食事を提供したり、話を聴いたり。
その中で、1人の女の子の言葉が印象的でした。
家に居場所がないことが1番つらい
構ってもらえないから
構ってほしくて
親に暴力をふるってしまった
親に暴力をふるったから
一緒には暮らせないと言われてしまった
暮らすことができないから
住み込みの仕事を見つけた
住み込みの仕事でも上手くいかなくなったから
会社をクビになってしまった
クビになったから
ふたたび暮らす場所がなくなってしまった・・・
上記の言葉は、そんな状況の中、
「ばっちゃん」の家をふたたび訪れた場面でした。
心の居場所
これは、多くの摂食障害の方にも通じます。
住む家はある
自分の部屋もある
食べるものもある
着るものもある
学校にも行かせてもらえる
おこずかいも貰える
けれど・・・
フツーの会話がない
挨拶もしない
家で食事をしないのが「フツー」
外食しても行かない・誘われないのが「フツー」
甘えられない
休めない
摂食障害の回復に必要なのは「場所」よりも「心の居場所」なのです。
お母様方とのカウンセリングで、
こんな声をよくいただきます。
「どうしたら、娘は休めるようになりますか?」
けれど、大抵の場合、お母様自身が休めていないのです。
過剰にスケジュールを詰め込んでいたり
いつもイライラしていたり
夫婦喧嘩や家族の口論が絶えなかったり
不安でウツウツとしていたり
嫁姑関係の愚痴を常に言っていたり
会話しないのが、当たり前になっていたり・・・etc.
だからこそ、心の居場所を作っていくためには、
お母様自身が、家の中で居場所を感じられるようになることです。
そんなに忙しく動き回らなくても大丈夫。
イライラしても不安になっても、きっとうまくいく。
ご夫婦の関係を見直したり
嫁姑関係を振り返ったり
日ごろの挨拶を見直したり
「ありがとう」を増やしたり
お母様が休める家にしていくことが、何よりも先決なのです。
そして、あなたが摂食障害のご本人であれば、
どんな家でも、あなた次第で休めるようになることを忘れないで欲しいのです。
自分の部屋という空間
誰にも指図されず
誰の目も気にせず
誰の顔色も伺う必要のない空間
それをあなた自身で作り出していくのです。
さらに、あなたが摂食障害から回復し、
安定した社会生活ができるようになれば、
あなた自身の場所を、自分で手に入れることも可能なのです。