摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。
菓子パン、美味しいですよねー。
私も大好きです。
今も、たまーに、すごーく食べたくなります(笑)。
菓子パンは、過食しやすい食べ物として、よく挙げられます。
ご家族が、「なんだか、最近、ヘンかも・・・!?」と思った時に、とてもとてもよくある場面と対策について、今回取り上げます。
・リビングに置いてあったカバンの中に、家では食べない菓子パンの袋が入っていた
・ゴミを隠すようになって、不審に思ったのでゴミを見たら、次々とお菓子やパンの袋や食べかけのものが出て来た
・部屋にこっそり入ったら、机の引き出しやコートのポケットから菓子パンの袋がみつかった。
という声が、とてもとても多いです。
ただし、ここで強調しておきたいことがあります。
このブログ記事は、決して「菓子パン袋などの証拠を見つけ出してほしい」とお伝えしているのではありません。
私は、ご家族が捜索するような行動をとることは、摂食障害を悪化させることにつながると思っています。
過食しているかも!?と思った時、家族ができること
ご家族がそう感じた時、真っ先にお嬢様に問い詰めてしまいがちです。
でも、1番最初に取り組むことは、お嬢様への詰問ではありません。
お嬢様が過食しているかも!?と思った時、ご家族が真っ先に必要なのは、相談先をさがすことです。
ご家族が相談できる相談先とは、以下の2つが挙げられます。
・病院
・カウンセリング
よくある間違いとして、学校の担任の先生に相談してしまったり、ママ友に相談してしまったり・・・という選択が見受けられますが、これらはオススメできません。
理由は、摂食障害の専門家ではないからです。
ご相談の上で、
・いつから「過食かも!?」と感じているか
・「過食かも!?」と感じる前に、気がかりだったことは?
・普段の学校での様子
・家での会話・・etc.
など、いろんな方面から、話し合っていくことが大切なのです。
その上で、「過食しているかも!?」と感じられたことを、お嬢様にどんなタイミングで、どんな切り出し方ではじめるのが適切かどうかを、一緒に見つけていくのです。
菓子パンやお菓子の袋を見つけた時、対話が必要なのはご夫婦です!
隠れて大量の菓子パンを食べていた!
こんなにお菓子の袋が出てくるなんて・・・
お母様にとっては、ショックが大きいことかもしれません。
けれど、真っ先に話し合う相手は、お嬢様ではありません。
何よりも先に、ご夫婦の対話が必要なのです。
これらを決して「成長期だから、よく食べて当然」といったかるーい話題で済ませないでください。
成長期が理由なら、たくさん食べることはあっても、隠す必要は無いからです。
ご夫婦で話し合う時に大切なのは・・・気持ちです。
・お母様が、「過食しているかも!?」と疑い始めた時の気持ち
・実際に、菓子パンの袋を見つけた時の衝撃
・見つけた日から現在までのソワソワ感・・etc.
「どう対処するか?」ではなく、「気持ち」を話し合うのです。
お互いの気持ちを話し合い、考え直し、それらが確認できた上で、今後の「どんな行動に出たらいいか」を話し合ってください。
家族のコミュニケーションこそ、摂食障害回復のカギ
・娘に「過食しているの!?」と聞いても、何も答えてくれない。
・「そんなに甘いものばかり食べて、身体に悪いよ!」と言っても、過食が続いている。
・過食症なら病院に行こうよ!と伝えても、全然、娘は動かないんです。。。。
こうしたコミュニケーションの問題は、実は摂食障害の発症前から、抱えていたのではないでしょうか?
これは、お母様ーお嬢様、という2人の関係だけではなく、多くの場合、ご家族全体にみられる傾向だと思います。
摂食障害の回復に必要なのは、なんでも言い合える家族関係です。
言いたいことが言えない。
言いたいことを言ってはいけないと思っている。
言いたいことを言うと、すぐ怒られる。
これらが積み重なってしまうと「言えない」状態になってしまいます。
「言えない」から、心の中に溜まり続けてしまいます。
溜まり続けてしまう欲求や想いを、何かで埋め合わせないといけなくなってしまうのです。
その「何か」が、お嬢様の場合「食」だったのかもしれません。