体重増加でパニックの時の考え方

摂食障害カウンセリング
中村綾子です。

痩せようとするとき、
体重が減っていないとイライラしますが・・・

拒食真っ最中の時に、
体重が急に増えていると、パニックになりますよね。

でも、周りは

「増やさなきゃいけないんだから!」
「そんな大したことないでしょ!」
「まだ痩せたいって思っているの?」

こんな言葉を投げてしまいがちです^^;;

今回のご質問は、サポート側のご家族も
真剣に考えてみてほしい話題です。

◆メルマガ読者さんからのご質問◆

私の家族と主治医と相談して1ヶ月で体重を1キロ増やす計画をたて、
多めに食べたり、外食ならたくさん食べれるので最近はかなり連れていってもらっています。

2週間ほどで0,8キロほど太ってしまい、イライラして頭いっぱいで、
母や家族に当たってしまったり、生活リズムが崩れ、たくさん迷惑をかけてしまいます。

自分では「増えても治るためだ!!」と
言い聞かせているのですが、なかなか自分の中で折り合いがつきません…

中村さんは、体重が増えてパニックになった時や、
その事に頭が振り回されてしまったらどうに対処していましたか!?


*ブログでは、一般論と私の経験談の範囲で回答させていただきます。

ご質問をありがとうございます。

残念ながら・・・
「増やすために頑張って食べた」という時期はありません。
入院中は、「退院するために」食べていましたが・・・。

退院してから、過食が始まったので、
否応なしに、体重が増えていったのでした^^;;

以下の3つ、どうか真剣に考えてみてください。

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1.「1ヶ月に1キロ増やす計画」は、何か月続けますか?

2.体重が増えたら治る?

3.カウンセリングの役割とは

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1.「1ヶ月に1キロ増やす計画」は、何か月続けますか?

何をどうすることで、
1ケ月1キロ増やすのでしょうか?

やみくもに食べていませんか?
食べて食べて、とりあえず増やせばいいと思っていませんか?

その食べ方を、何ケ月または何キロになるまで
続けるか、決めていますか?
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決めていた場合、どうやって「増やす」から
「キープする」に変えていきますか?

多くの場合、

こうした話し合いや取り決めが、
ほとんど無いまま「体重を増やしましょう」と言われているようです。

生活を変えたり
食べ物を変えることは
心にもダイレクトに影響します。

「何キロになったから、明日から、そんなに食べなくていいよ!」と、
急に言われたら、パニックになってしまいませんか??

私のカウンセリングでは、
ご本人の希望で、ご本人が納得できるカタチに限り、
「いつまでに何キロ」という話をしています。

そのほとんどは、
私の通常カウンセリングではなく、食事カウンセリングの場面です。

理由は、心がついていかない限り、
体の変化は恐怖以外の何物でもないからです。

1ケ月に1キロ増やす計画、
あなたがホントに納得できているかどうか、
もう一度見直してみてはいかがでしょうか?

2.体重が増えたら治る?

ご質問の文中には、「増えても治るため」とありますが・・・

この場合、「治る」のは、「何」ですか?

確かに、ガリガリにやせ細った身体では、出来ないことも沢山ありますよね。

・早く歩けない
・階段がツライ
・体育が禁止される
・食べると胃が重くなる…etc.

では、増えた体重が、こうした症状を「治してくれる」のでしょうか?

体重さえ増えれば、自動的に、症状が解決するものなのでしょうか?

きっと、今、頭の中が混乱していることと思います。

「主治医の先生に言われたから」ではなく、
「本で読んだから」ではなく、

あなた自身で、じっくりしっかり考えて欲しいのです。
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体重が増えると、何がどう変わりますか?
体重が増えても、治らない事は、何ですか?

今の私は、拒食の最低体重より10キロ以上多いです。

でも、「10キロ増えただけ」で、
何かが変わったわけではありません。

友人・知人・親戚から数え切れないほど、

「ぽっちゃりしたね」
「ふっくらしたね」
「プクっとしたね」

と言われ、何度も自暴自棄になりました。

なぜなら、増えた体重・変化した身体を、心が許せていなかったからです。

今、体重増加が「治るため」なら、
あなたの心は、どうなってしまうんでしょうか?

3.カウンセリングの役割とは

カウンセリングの最大の目的は、あなたの体重を増やすことではありません。

あなたが、生きたいように生きられるようになることです。

人と比べるよりも、「自分は自分」
誰かを優先するより、自分第一主義
他人の顔色を見るより、自分が気分よく過ごせるほうを選ぶ

そんなふうに、「あなたが、あなたでいられるようになること」を応援させていただくのです。

なので、

食べた・食べていない
吐いた・吐いていない

こうした話題がメインになることはありません。

食や体重の話題が治療だと思い込んできた方の中には、
最初は戸惑う方もいらっしゃいます。

体重が増える恐怖がゼロになるのではなく、
「怖いけど、まぁ仕方ないかも」と思えたり

これまで食べないことを貫いてきたけれど、
「今の身体、なんだか自分がかわいそう」と思えてきたり

「何もできないなんて、悔しい!」と、
恐怖よりもやりたいことの行動に励んでいったり

ある程度の妥協と
ある程度の諦め

カウンセリングでいろんな話をしていく中で、じわじわ身についていくのです。

心って、目に見えないし
変化も分かりにくいけれど

心が変わる時
あなたの行動も変わっていくのです。

治ることに必要なのは、ガマンじゃなのですから^^