摂食障害専門カウンセラー中村綾子です。
お正月も終わりましたが、年末年始に「食べ過ぎちゃった」という方も、「過食がひどくなった」という方もいらっしゃるようです。
「ついつい食べ過ぎちゃった…」という経験は、誰でもあるかもしれません。
でも、その「食べ過ぎ」が繰り返され、日常生活に支障をきたすようになったら、それは単なる食べ過ぎではなく「過食症」かもしれません。
今回は、過食症と食べ過ぎの3つの明確な違いについて、摂食障害専門カウンセラーの視点から解説します。
1.【過食 or 食べ過ぎ】自分でやめられますか?
食べ過ぎは、たまにあるイベントや特別な日に、満腹を超えて食べてしまう一時的なものです。
例えば、クリスマスやお正月などが挙げられます。
一方、過食症は、短い時間に大量の食べ物を摂取する行為が、繰り返し起こります。
時間帯は、早朝や夜遅くで、「ひとりになった時」が多いです。
そして、最も大きな違いは、「やめたいのにやめられない」「食べるのを止められない」といった感覚です。
自分の意思では止められないと感じるのが特徴です。
2.【過食 or 食べ過ぎ】「気持ち」と衝動的か否か
食べ過ぎは、純粋に「美味しいからもっと食べたい」という欲求に基づいていることが多いでしょう。
久しぶりに会った友人とおしゃべりが弾んで、食べるのも楽しくて…とか、お正月でご馳走が並んで美味しくてどんどん食べた…など、「楽しい」気持ちがあります。
しかし、過食症の場合、ストレス、不安、寂しさ、悲しみなど、心のつらさを紛らわせるため、あるいは、現実逃避のために、衝動的に過食に走ってしまうことがあります。
3.【過食 or 食べ過ぎ】食べた後の行動は?
食べ過ぎた後は、「ちょっと食べ過ぎちゃったな」と反省する程度で終わることがほとんどです。
しかし、過食症の場合、過食後には強い罪悪感や自己嫌悪感でいっぱいになる方が多いです。
カウンセリングでもよくお伝えするのは、
「友達とたのしくケーキバイキングに行ったなら、駅まで歩いたり買い物でたくさん歩いたり、動くよね。でも、ひとりで過食した後は落ち込んで自己嫌悪で、落ち込んで…という違いがあるよね」
という違いです。
もし、この記事を読んで「もしかしたら…」と感じたなら、一人で悩まずに専門家に相談しましょう。
過食症はただしい知識とただしい治り方で、必ず【卒業】できる病気ですから。