【摂食障害】リエゾンこどものこころ診療所⑤ヤングケアラー


『リエゾンこどものこころ診療所』第5話はご覧になりましたか?摂食障害とヤングケアラーについて考えてみました。

摂食障害専門カウンセラー中村綾子です。
お母様のための摂食障害相談、受付中です。

前回の放送のブログはこちら
■【摂食障害】リエゾンこどものこころ診療所:気を付けたいこと

今回はヤングケアラーのお話でしたね。摂食障害にもヤングケアラーの人はいるの?を掘り下げて考えてみたいと思います。

摂食障害の人にもヤングケアラーはいる?

答は「いるかもしれない」です。

個人開業のカウンセラーとしては、正直お会いしたことはありません。

自費カウンセリングなので、それなりのカウンセリング料金になりますし、今回の「リエゾンこどものこころ診療所」のようなヤングケアラーの場合、カウンセリング受講は時間的にも難しいかと思います。

しかし、摂食障害専門カウンセラーとして、様々な年齢層の方にお会いしている中で感じることがあります。

それは、「ヤングケアラーに近い状態」のご本人様が多くいる、ということです。

ここで、「ヤングケアラーに近い状態」について考えてみます。

摂食障害:ヤングケアラーに近い状態とは?

(1)兄弟・姉妹の病気/障害で直接的/間接的なサポートをすることが日常的になっている

(2)両親(いずれか)が病気/障害で、サポートが必要だったり、精神的負担を受けたりしている

(3)(特別な病気がなくても)親からのグチの『聞き役』になっている

では1つずつみていきます。

(1)兄弟・姉妹の病気/障害で直接的/間接的なサポートをすることが日常的になっている

兄弟・姉妹が生まれながらの病気/障害を持っている場合、

・兄弟姉妹のサポートをすることが当たり前
・両親が、兄弟姉妹につきっきりになるのが当たり前
・早くから自分のことは自分でするのが当たり前

という状況になりがちです。
この場合、「自立したしっかりしている子」と特に問題を抱えていないように思われがちです。

しかし、年齢相応の自己主張(ある程度のわがままを含めて)が許されない環境であったり、相談するスキルが身につかなかったりするリスクがあると考えます。

(2)両親(いずれか)が病気/障害で、サポートが必要だったり、精神的負担を受けたりしている

ご両親(いすれかの場合も)が、病気/障害を持っている場合、今回の「リエゾンこどものこころ診療所」ほどでは無いにしろ、何かとサポートをしている場合が多いです。

サポートする負担だけではなく、

・友達に「●●のお母さん(お父さん)は、なんで授業参観来ないの?」など言われてしまう
・休日に一緒に遊びに連れていってもらえない(他の友達の家とちがう…)
・(途中から病気になった場合)お母さん(お父さん)が病気になったのは、自分のせい?

と精神的な負担を受けている場合が少なくありません。

特に、ご家族は「まだ幼いから…」と病気/障害について説明することを控えている場合、幼い心で「自分のせいかも…」と自分を責めてしまったり、「自分だけ教えてもらえない」「大事に思ってもらえない」と感じてしまったりする可能性があります。

今回のドラマのように、「サポートすることが当たり前」になってしまっていると、上記(1)のように「しっかりした子」として問題が明るみになるまで、周りの人が気づくことができない場合があります。

(3)(特別な病気がなくても)親からのグチの『聞き役』になっている

しかし、私がカウンセラーとして1番気になるのは【(3)グチの聞き役】です。

特に病気も障害もない。
でも、ご家族が「なんでも聴いてくれる娘」にグチばかりを吐き出してしまう。

幼い頃からずーっと「グチの聞き役」をしていると、これが異常だと気づかないまま、心の中にため込んでしまう。

ご家族のほうは「いい娘だから」「優しい子だから」という気持ちだけで、気づかないうちに頼り過ぎてしまう。

結果…

心が疲れ切ってしまう。。。

「見えないヤングケアラー」と言えるのかもしれません。

ケアしているという意識も
ケアされているという意識も、お互いに無いでしょうけれど。

「特に問題がない家庭」の摂食障害には、こうした背景があることも少なくありません。

物質的には普通以上
学校にも通っている
勉強もできる

しかし…

見えないところで、長年心の負担が積み重なっていると、どこかのタイミングでSOSを発するしかありません。

私の場合:摂食障害の発症よりずーっと昔から…

ちなみに、私自身も幼いころから(きっと幼稚園児のころから)、母の「グチの聞き役」でした。

特別な問題が発生した時ではなくても、日常的に

・母の実家のおばあちゃんのグチ
・父親が●●と言うから…
・あ~、コレやっていない

という言葉が、母からありました。

1つ1つは、とても小さなことだったかもしれません。
しかし、幼い小さい心で受け止めるには、大きすぎるものばかりでした。

話を聴き流す術もなく
自分がどうにかしなきゃと思ってしまう心。

ずーっと溜まり溜まっていきました。
そして摂食障害の最中、何度も泣きながら叫んだことがあります。

【私はお母さんの『グチのごみ捨て場』じゃない!】

数えきれないほどのバトルを繰り返して、母娘関係を修復していったのです。

しかし、時間を取り戻すことはできません。
グチを聴かない幼少期をもう1度経験することはできません。

だからこそ、このブログ記事を読んでくださっている方には、今スグ気づいてほしいと思っています。

見えないココロの負担、溜まっていませんか?
話す相手を吟味して、適切な相手に話していきましょう。

そしてお母様の場合は、「優しい娘」に依存しまっていませんか?

ホントは別のところで出すべきグチを、大切なお嬢様にすべて吐き出してしまっていませんか?

吐き出す場所、ココにあります。
■お母様のための摂食障害相談

*2月はあと1枠のみ受付可能です。

*お嬢様が摂食障害と診断されていてもいなくても、ご相談いただけます。

*不登校/ひきこもりのご相談も増えています。

*お申込みフォームを改善しましたので、日程が分かりやすくなりました。